イノベーションのジレンマ

話としては、今までどこかで何度となく、その断片に触れてきているような気がする。
ちょっとした記事の中で、ぼんやりと、そういうアイデアを読んでいた気がする。
けれども、この本によって、そういったモヤモヤを晴らし、霞んだ輪郭が、以前よりも見えるようになった気がする。

偉大な企業はすべてを正しく行うが故に失敗する
どうして、そんなことが、何度も起きているのか。

常に繰り返し行われる、持続的イノベーションを行うのに優れた企業は、破壊的イノベーションへの対応を誤る。なぜ、そうなってしまうのか。
なぜ、主流市場でのリーダとしてあり続ける能力が、破壊的技術に対する無能力の原因なのか。
なぜ、現在の顧客基盤にロックされ、新しい顧客候補を見逃すのか。
なぜ、高性能品が見向きもされず、価格競争になってしまうのか。
なぜ、粗悪な代用品にしかならないものが、いつしか、高品質の低価格品になっていくのか。
なぜ、優れた企業が目先の"改革"のために、利益率の低い大きな市場を手放すのか。
なぜ、自社内に生まれたイノベーションを育まずに、破壊的イノベーションに育つままに放置してしまうのか。

それらの疑問を持って、また、読み直してみよう、と感じてる。


自分にない、考えの枠組みを提供してくれた、そんな気がする。
プロフィット・モデルと強く結びつけて考えられると、さらに、面白そうだ。今はちょっと分からないけれども。

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イノベーションのジレンマ

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ザ・プロフィット

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ザ・プロフィット

ぼんやりと分かった気になって、あまり分かっていないことがよくある。そういう時、既に知っている、比較的分かりやすいパターンにどれ位近いか、考えてみると、少し、理解が進むことがある。
この前読んだ、「ザ・プロフィット」(ダイヤモンド社)は、会社の利益の仕組みについて、型を学ぶために効果的な本だという気がしている。

要点は、目次にそのまま現れている。23件のモデル名のリストになっている。

  1. 顧客を知ることが利益のはじまり - 顧客ソリューション利益モデル
  2. ファイアウォールで利益を守れ - 製品ピラミッド利益モデル
  3. 同じ製品で異なるビジネスを - マルチコンポーネント利益モデル
  4. 臨界点を目指せ - スイッチボード利益モデル
  5. 粘り強さが生み出すスピード - 時間利益モデル
  6. 大ヒットを想像するマネジメント - ブロックバスター利益モデル
  7. 一つの資産からさまざまな製品を - 利益増殖モデル
  8. 利益追求に邁進する情熱 - 起業家利益モデル
  9. すべてを知りつくすことの強み - スペシャリスト利益モデル
  10. 売り手が主導権を握る - インストール・ベース利益モデル
  11. 未来を計画できる立場をつかめ - デファクト・スタンダード利益モデル
  12. 人間の心に潜む非合理性 - ブランド利益モデル
  13. ニッチな市場を深く掘れ - 専門店利益モデル
  14. 点から面への拡大 - ローカル・リーダーシップ利益モデル
  15. 信頼関係がもたらす巨大なリターン - 取引規模利益モデル
  16. コントロール・ポイントを制する - 価値連鎖ポジション利益モデル
  17. わずかな価格差をめぐるゲーム - 景気循環利益モデル
  18. フォローアップの潜在力 - 販売後利益モデル
  19. 真っ先に波を乗り換えよ - 新製品利益モデル
  20. ビジネスにおける重力の法則 - 相対的市場シェア利益モデル
  21. 学習の累積がもたらす知恵 - 経験曲線利益モデル
  22. 早く動くより、早く着手せよ - 低コスト・ビジネスデザイン利益モデル
  23. 一〇倍の生産性を生む源 - デジタル利益モデル

スティーブが師チャオから23のモデルを学んでいく、という形式で書き進められている。そのため、モデルの効果を自分で考え、適用していくための習慣、態度に焦点が当てられているような気がする。具体的な数字を使って考えること、荒っぽいけれども間違っていない答を出すこと、1つのテーマについて対比的に本を読むこと、そういうことを繰り返しながら、スティーブは考えを深めていく。
スティーブが働くデルモア社へ適用を試みる場面から、モデルの使い方を示している。

この本の前に、「プロフィット・ゾーン経営戦略」という本がある。こちらの本のほうが、モデルの説明は具体的に感じる。
だから、両方を何度か行ったりきたりするのがよさそうだ。
「ザ・プロフィット」にあるような考えの進め方、数字を基に考える習慣を意識して、両方を読み直してみる。何度かやると、考え方が身につくだろうか?
会社の儲けの仕組みが推測できるようになると、新聞を読んでも違う世界が見えてきそうな気がする。

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ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか
プロフィット・ゾーン経営戦略―真の利益中心型ビジネスへの革新

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市場占有率〈2006年版〉

昨日、本屋さんに行ったときに目に留まった。
「市場占有率 2006年版」(日経産業新聞 編)

「即、買いだ!」という気分にまではならなかったけれど、身近なところにあったら面白そう。
ペラペラめくっていると、意外に感じるものも見つかる。

たとえば、ハーゲンダッツ。自分のイメージよりは、ずいぶんとシェアが高かった。ロッテなどは、頻繁にCMを見るから、もっとシェアが高いかと思ったけれども、実はそうでもない。(金額ベースだからかな?)

他にも、自分が興味を持った分野をいくつか拾ってみてみると、意外に思うことが見つかりそう。

日をおいても、欲しいと思えば、買って手元に置いておきたい。

参考
日経ブックダイレクト

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市場占有率〈2006年版〉

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フリーランチ投資家になろう!

今年の3月に、「本屋さんの売り場で気になったこと」として、感じたこととは、最近の様子は変わってきたみたい。
この頃、平積みしてあるのは、「普通の~でも~円儲かる」という類の本。主婦、大学生、会社員、いろいろあるけれど、そういう人たちの「武勇伝」を書いた本。
そんな印象がある。

ちょっと棚に目を向けると、そういった本とは毛色が違うが、良さそうと思う本があった。
フリーランチ投資家になろう!(ダイヤモンド社)

気になった点を抜き出してみる。

  • フリーランチ投資とは「リスクを限りなくゼロに近づけ、リターンは大きく狙う」いわばパラダイスの世界。
  • フリーランチ投資家の運用哲学は次の2つ。
    1. 分散投資の力を信じること。
    2. 長期投資の力を信じること。
  • 分散させたリスクが「適応拡散」したとき、フリーランチ投資が一気に花開く
  • 投資における相性とは、一種の補完関係にあるということだ。資産との関係で比較すると、日本株と最も相性がいいのは外国債券だ。
  • 基本は「外国債券を70%、7年持つ」こと
  • いろんなところで、似たような話は既に書かれているのかもしれない。そんな気はする。それに、読んでいて、ワクワクしたり、拳に力が入るような本ではない。
    でも、読みやすく、攻めのリスク管理がどういうものか、なんとなく、分かった気になった。リスクというのがどういうものか、考えるきっかけにもなった。

    ただ、問題なのは、分散した外国債券を買うとなると、投資信託を買うことになること。手数料が安いものは、なかなか数が少ないらしい。現状、一般に買えるもので、手数料が一番低いものは、「中央三井外国債券インデックスファンド」とのこと。このあたりは、一度、自分で調べたほうがよいのだろう。

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    フリーランチ投資家になろう!

    参考
    投資に役立つのは「武勇伝」より「失敗談」(FP総研)

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    不景気に効く会計

    細かいところをザックリと省略して、鳥瞰図のように、大雑把に全体を示してくれるような本というのは、読んでいて楽しい。アウトラインを示し、そして、説明に必要な、部分部分を時々クローズアップして、説明しながら。
    Google Earthであちこち行き来して遊んでいるときの感覚に似た感じで。

  • 実学入門 不景気に効く会計(クスリ)」(日経ブックダイレクト

  • この本、結構、その感覚に近い気がする。「プロローグ」にも次のようにある。
    本書は、いわゆる「会計入門」というジャンルに入るのでしょうが、普通の会計入門とは次の三点で大きく違っています。
    1. 細かいことを無視している
    2. 実際の企業ケースを多用している
    3. 会計書であって会計書でない
    (略)
    私が意識した本書の目的は、次の二つです。
  • 会社を復活させる「経営に活かす会計」の知識を身につけてもらうこと
  • 新聞などを通じて「視野を広げる会計」の知識を身につけてもらうこと

  • この本で一番興味を持ったのは、「国際優良企業ノキアの悩み」の章。「キャッシュは事実、利益は意見」という言葉、ノキアのオリラ会長の言葉だったということ。いろんなところで引用されているけれど、言葉だけが独り歩きしている感じ。

    細かい点はバッサリと省略しても、こういう点はしっかりと説明がある。というか、「なぜキャッシュなのか?」ということが大事なのか、それを考えるには現実の話のほうが興味を持てる。

    ノキアは国際化を進めていく過程で、あるカベにぶつかりました。
    それは、世界的に統一したモノサシをどうつくるかという問題です。
    -実はこれ、そんなに単純な問題ではないのです。
    ノキアのような多国籍企業では、どこが儲かっていて、どこが儲かっていないかについての判断がきわめて重要になります。
    儲けといえばふつう「利益」ですね。
    でも利益をもとにして各国の業績を判断するのは相当の危険がともなうのです!
    なぜなら、国によって利益を計算する会計ルールが違っているからです。
    (略)
    国によってルールが異なるP/Lで計算された利益では各国の経営比較を行うことができません。
    ノキアは、そんな「利益」に代えて究極のモノサシを使用しました。
    -そう、それが「キャッシュ」だったのです。

    国際企業のモノサシ

    大枠の説明をしながら、急降下して、それに沿った現実の話の説明をする。その点が、読みやすく、興味を継続して読み続けられる、感じがする。
    「叔母がヨーカ堂へ行く理由」のように、身近な話題から営業利益率の説明に入っていくのもいい。

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    実学入門 不景気に効く会計(クスリ)―会社の問題をみつける財務会計編
    "田中 靖浩"で探す

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    行き場を失った動物たち

    行き場を失った動物たち」(東京堂出版)という本がある。
    次の個所が気になった。

    シカの棲息数を数えるのに、ヘリコプターによる夜間の「ライトセンサス」が実施されている。これはシカの目が光に反射するのを利用して数えるのだが、森の中や道路の近くにピカピカと蛍のような点状の光が見えたら要注意である。

    走行できなくて困った!:タヌキ・キツネほか

    本の内容とはあまり関係ないのだけれど、こういうところを読んで、「水曜どうでしょう」を発想してしまうというのは、どうだろう?ちょっと毒されているかも。

    ちなみに、この本自体はいたって真面目な本。人間の身勝手によって、困り者の害獣扱いにされて困っている動物たちの話が集められている。

    関連
    来週は、tvkで、どうでしょう最新作

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    行き場を失った動物たち

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    キャピタル

    何週間か前に、「スリッパの法則」(PHP研究所)に興味を持ち、ちょっと情報を探していた。それで、「キャピタル」(RHEOS REPORT)に行きついた。
    最初の興味よりも、この本に興味を持つようになり、読んでみた。
    「敗者のゲーム」のことを覚えていたからかもしれない。前書きにも次のよう書かれている。

    しかし考えてみれば、この本の著者がチャーリーで、私のような人間がその前書きを書くというのは、読者の皆さんには意外に映るかもしれない。何しろ二人とも、アクティブな銘柄選択は敗者のゲームであり、このゲームに勝つためには株、債券、不動産投資信託といった資産を、広義の市場インデックスに合わせて長期保有するべきだと固く信じているからだ。
    (中略)
    キャピタル・グループの秘密はどこにあるのか?大勢のライバルが敗者のゲームを競う中で、なぜキャピタルは成功を収めることができたのか?答はその組織にある。本書でチャーリーは、同社が長期にわたって成功し続けるために、どのように効率的な組織づくりに取り組んできたかを明らかにしている。

    成長企業の物語としてなかなか面白い。
    いかに長期的視野にたって、周囲からは最悪と思われるときに新しい手を打ち出し、短期的に魅力的に見えるアイデアに「ノー」といってきたか。
    何度か読み直したけれど、その度に、新しい部分に興味、魅力を覚える。

    特に面白いと思うのは、この非公開企業の株の持ち方。
    ストックオプションを経営陣に与えている公開会社の例は多い。また、新聞を読んでいると、創業者一族がずっと主要株主であり続け、現経営陣と利害、意見が対立する、ということも見かける。外部の会社に買収を仕掛けられ、TOB、なんて話も。その他にも、会社を立ち上げ、公開、売却、というのが、ベンチャ企業の典型のような雰囲気も感じられる。
    キャピタルという会社は、そういった新聞の中に見る"会社"というイメージとは、全く離れている。

    持ち株は勤続年数や貢献度の累積によって増加していく。キャピタル株はA、Bクラスの二種類ある。A、Bの違いは付与される議決権の差である。Bクラスは一株当たり一五票持つのに対し、Aクラスは一票にすぎない。Bクラス株の保有者は現在七〇名おり、慎重に選定されている。長期にわたる多大の貢献や、リーダーとしての信望の厚さが考慮されるのはもちろんだが、最大のポイントは、キャピタルの非公開政策の意義を十分理解し、絶対に売却しないということである。そして、Bクラス株を次の世代に伝えていくために、保有者は六十五歳から七十二歳までの間に全株を会社に売り戻すことがルール化されている。
    (中略)
    引退または他社に転職する際は、Bクラス株保有者は九〇日以内に会社に売り戻さなければならない。
    Aクラス株は、キャピタルに現役でいる限り保有を認められ、引退後六年間で売り戻す。ただし、競合先に転職する場合には直ちに売り戻さなければならない。
    (中略)
    それぞれの世代の社員は、先輩たちの働きの成果をこれまで享受してきたし、そして同様に、次の世代のために成果を残していかなければならない。そのことを彼らは十分に理解している。結局、世代から世代へと手渡される自社株とは、現役の間は会社に貢献するという、権利よりは責任の象徴と考えられているのだ。

    第14章 ハイレベルの報酬・殊遇体系

    ただ、Amazonの書評のところにもあったけれど、登場人物が多く、それが似た名前(苗字が違う、ビル、ボブ、ジムなど)であることから、少々話を難しく感じることがある。
    Amazon.comで原書のサンプルを見ると、索引が用意されている。「日本語版でも、索引が付いていてくれたら、もう少し読みやすくなるんだけれど…」と思い、その点がちょっと残念だ。

    会社の組織についても分かりにくい。そのためか、最後にちょっと説明がある。

    なお、原著では、キャピタルには組織図はなく、組織は常に変わり続けるもの、と述べられている。ただ、本文中にはさまざまなグループ会社名が登場し、少しわかりにくい面もあるかと思われるので、簡単に紹介しておこう。現在では、キャピタル・グループ・カンパニーズという持株会社のもとに、アメリカの国内投信を担当するキャピタル・リサーチ・アンド・マネージメントと、全世界の機関投資家運用を担当するキャピタル・グループ・インターナショナルとがある。アメリカの国内機関投資家を顧客とするキャピタル・ガーディアン・トラストや、日本のキャピタル・インターナショナルはこの後者のグループに属している。

    訳者あとがき

    The Capital Group Companies」には、「Our history」、「Timeline」程度の情報はある。けれど、本の話の流れを補強するような細かい話は書かれてなさそうだ。


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    キャピタル 驚異の資産運用会社
    Capital: The Story of Long-Term Investment Excellence
    敗者のゲーム なぜ資産運用に勝てないのか
    ウォール街のランダム・ウォーカー
    スリッパの法則

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    お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方

    この前のニュースで、

  • (5/29)給与所得控除の縮小を提言――政府税調、6月に報告書(NIKKEI NET)

  • というのがあった。いわゆる、サラリーマン増税。そんなニュースを見ていると、以前読んだ本を思い出し、また手にとって見ることにした。
  • お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門(幻冬舎)

  • なかなか、サラリーマンであることが哀しくなる本。

    著者の言う、「黄金の羽根」はいたるところに落ちている。人の作った仕組みに”完璧”ということはないから、必ずどこかに歪みがある。その歪んだ場所にそれがある。
    けれど、誰も無から有を生み出すことはできない。「黄金の羽根」を得る人がいる一方、「惜しみなく奪われる人々」がいる。

    近代国家はあまりにも強大であり、個人の人生に大きな影響を及ぼします。同時に、万人が等しく政治に参加できる民主制の元でも、日本をはじめとしてすべての国の制度は大きく歪んでいます。その歪みを上手に利用すると、合法的に近道することが可能になります。逆に、国家の負の側で人生を送ると、いたずらに回り道をしたら、貧困に身を落とすことになってしまいます。
    国家は国民から税を徴収し、それを国民に再配分しています。日本の場合、国や地方を合わせた行政経費は年間に160兆円に及びます。これだけ巨額だと、ほんのわずかな歪みが、個人を幸福にしたり、不幸のどん底に突き落としたりします。人生を効率的に生きようとするならば、私たちは、国家との関係を真剣に考えてみなくてはなりません。

    Introduction
    以前読んだときには、ただ腹立たしく、気分が重くなる、そんな感じが残った。けれど、今は、ちょっと違う印象を持っている。

    "平等"、"公平"、"保護"、"振興"、"安全"などのキーワードを役所、政治家が使うような場面では、こういう歪みが大きい気がする。これらは自然に任しておくと実現できないもので、維持しようとすると相当なエネルギーを必要とするものなのだろう。
    それらに対する批判はタブーであり、本来の趣旨と違う使い方で経済的利益を得ている人たちに対する批判もタブーとなるのかもしれない。そうであるならば、経済効率を考えた運営は覚束ないだろう。

    そんな現実の上に立って、経済ニュースの読み方を変えてみよう、自分の身の回りのことを考えてみよう、と思うようになった。自分では持っていない考え方が、この本にはある。そこに出てくる考え方を持っていれば、今までと別の視点で眺められるような気がしてきた。

    サラリーマンである限り、「負の側」から抜けられないだろうけれど、多少の知恵はつけたほうがいい。

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    "橘玲"で探す

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    ビジュアルシンキング仕事術

    ビジュアルシンキング仕事術」(扶桑社)の「第二部 図で発想して独創人間になろう」で、地図に関して、書かれている部分がある。

    地図はさまざまな記号で溢れている。灯台や港、等高線、鉄道、高速道路、森林、果樹園、崖、空港、街など、その地図をぼんやり眺めているだけで、いつの間にかその世界に入っていき、高い山に登ったり、港の岸壁に立っていたり、高速鉄道に乗って移動したりできる。そして、知らず知らずのうちにリラックスし、心から癒されている自分に気づくのである。

    地図愛好家は癒しの力を知っている

    まぁ、どんなものかと、手元にある地図で、二日間、合間をみて試してみた。目的を思い浮かべず、ただ、地図から実際の場所を想像して、地上から、上空から眺めている気分になるのは、それなりに楽しい。できれば、縮尺の大きいもの、小さいものを自由に行き来するとさらに気分が良い。特に、地形の高低差を想像できたときには、その世界に入っていける。どこでもドアでもタケコプターを使っている気になると、結構、実感を伴って空想できる。

    この本の半分以上は、図の種類やその効果的な使い方で、この地図の話は、どちらかというと、おまけみたいな話。でも、図からこういう実際の世界を空想する、そういうことを普段から何気なくやっていると、自然に図を使った発想をしやすくなるのではないか、そんな気がする。
    普通の道路地図じゃなくて、古地図みたいなもののほうが、より空想力、図を使った発想力を培うものなのかも、という気もする。

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    とびきり可笑しなアイルランド百科

    ケルトの国のごちそうめぐり」のような本は楽しくて、ずっと眺めていても飽きない。けれど、きっとそれでは、僕の頭の中は、アイルランドのステレオタイプで一杯になってしまうかもしれない。
    バランスをとるには、こういう本も良いような気がしている。

  • とびきり可笑しなアイルランド百科(筑摩書房)

  • こうやって、皮肉っぽいジョークを読んで、少しは写真やテレビの中の美しいイメージを弱めておかないと、行きたくなってしまうし。

    この本を読んで、「書籍:「まっかなホント」シリーズ」のことを思い出した。ちょっと違うが、似た雰囲気がある。アマゾンで"人のまっかなホント"で検索してみたが、アイルランド人は出てこなかった。

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    ノルディック・サプライズ

    「ノルディック・サプライズ」(清流出版)を見つけた。この本では、「バイキングの掟」をもとに、北欧の国が持つ潜在的な競争力を説明しようとしている。
    これだけを理由にはできないけれど、商人としてみる視点は興味深い。

    「ヴァイキング」というと、略奪を繰り返す海賊というのが一般的なイメージであろうが、実は彼らは単なる「略奪者」ではなかった。
    8世紀から11世紀前半までの約250年間(ヴァイキング・エイジと呼ばれる)にわたって、彼らは当時としては、驚異的な造船技術と航海術をもってヨーロッパ大陸を縦横無尽に駆け巡り、略奪行為もしたが、一方では各地に植民地を建設して後の都市基盤を作った移民であった。また、東方の絹や銀を求めてイスラム圏まで進出して世界的な交易を発展させた交易商人の先駆者でもあった。
    特筆すべきは、商人としてのヴァイキングなのである。
    (略)
    ヴァイキング・エイジから10世紀後の現代にあっても、リスクを恐れずにグローバルな展開を志すヴァイキング精神はスカンディナビアの末裔たちに脈々と受け継がれているのだった。
    その証拠に、スカンディナビア系企業の多くのエグゼクティブたちのビヘイビアは、くしくも「ヴァイキングの教え」ともいえる以下の5つの行動規範と、ピタリと一致するのである。
    (1)知識集約、技術優先を徹底し、専門特化した技術を武器に海外へ乗り出す。
    (2)積極的に相手の文化に溶け込む姿勢を持ち、文化的背景を異なる相手を理解しながら商取引を行う。
    (3)商取引のルールを守り、相互信頼の精神のもと、フェアであることを重んじ、一方で、何者にも隷属しない旺盛な自主独立の精神を持ち、強烈な個人主義を貫く。
    (4)上下関係の希薄なフラットな組織の中で、メンバーのコンセンサスを重視する委任方リーダーシップをとる。
    (5)リスクを恐れずに積極的に未知の分野・エリアへ乗り出す冒険者精神を持つが、綿密にリスクを計算し、最小のリスクで最大の収穫が得られる戦略を採用する。

    プロローグ
    商人というだけでなく、その社会の身分制度も日本の昔の話とは違い、ずいぶんと今の社会に近い気がする。

    ヴァイキングの社会は、基本的に以下の3つの層に分かれて構成されていた。
    《ヤルル》
    軍事指導者階級をさし、成長すると自然に部族の首領となり、ヴァイキングの侵略部隊を率いて、周辺部族の制圧や海外遠征へ出かけた。
    (略)
    ただし、自ら王と名乗るものであっても、(略)単にヤルルのなかで最も実力を有する首領のひとりにすぎなかった。
    (税)
    《カルル》
    自ら土地を所有して、奴隷を使って農場を経営する自由農民を指す。
    自由農民であればだれでも「シング」と呼ばれる民会に参加することと武器を持つことのふたつの権利を持っていた。
    《スラール》
    ヴァイキングが海外へ略奪に出掛けたときに捕らえてきた奴隷をさす。ほかの商品と同様に売買の対象とされる所有物として扱われ、基本的な人権すら有していなかったが、その一方で、必ずしもその身分は固定的ではなかったという指摘が多くなされている。
    たとえば、奴隷とはいえ、一定期間立派に勤めあげれば主人から報酬をもらうこともあり、課せられた1日の仕事が終わった後は、借りた畑を耕してその収穫を自分のものにすることもできた。そうしてためた金で自由を買い取って運命を切り開くこともできたのである。

    4章 小さな組織を大きく動かす”信頼型リーダーシップ”をとれ
    何しろ、身分が固定的でなく、実力によって決まり、他の国であれば被支配民と思われる人たちも民会に参加できること、そして、自主独立の考えが強いこと、そういうのがとても違うと思える。
    江戸時代の日本でも、豪商が帯刀の権利を買って下層の侍になることはあったと思われるけれど、例外的なことだろう。もっとも、一般的な事柄であれば、歴史の授業にも出てきていただろうと思う。

    こういった文化のなかに暮らしてきた人たちが作った会社が、意外と競争力を持つのは、なんとなく、分かる気もする。後付の理由という気もしているけれど。

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    関連
    ヴィンランドはどこに

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    猫って、何考えてるの!?

    子供の頃、家で猫を飼っていたことがあった。その頃は、「何、考えてんだ、コイツ!」と思うことも時々あった。その時のことを、今頃になって、なんとなく、思い出した。
    こっちが遊びたいときは逃げるのに、寄ってきて欲しくないときに限ってやってくる。家の中に"獲物"を持ち帰り、転がして遊んでみたり。

  • 猫って、何考えてるの!?(PHP研究所)

  • なんとなく疑問のまま、忘れてしまうくらい何年も、放っておいたことの説明がついた。なんとなく、スッキリした気もする。

    今、猫が好きで飼っている人だったら、仕草から読み取れることなのかもしれない。今だったら、もっと楽しく、猫が飼えるかもしれない、と思う。まぁ、そのためにはペットが飼えるところに住まないといけない。当面は、飼えないだろうなぁ。

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    ケルトの国のごちそうめぐり

    こういう本は、見ていて楽しい。

  • ケルトの国のごちそうめぐり(河出書房新社)

  • 以前から、「一度は行ってみたい国」と思っていたけれど、さらに、そういう気持ちが強くなる。ダブリンよりも、コーク、ケリーといったあたりに。

    アイルランドの家には目覚まし時計がない。カレンダーもない。同居人のマークがかたくなに拒むので、電子レンジも置いていない。が、不便を感じたこともない。
    紅茶はティーバッグでなく葉のものを、ゆっくり淹れる。ここのティーバッグは色も味もしっかり出て満足いくものであるが、熱い湯の中で葉がじっくりと広がっていくときに出る風味には、やはりちょっとかなわない。

    ここに、ないもの-あとがきにかえて
    本の中の写真、文章を読んでいると、なんとなく、そういった空気に中に自分もいるような気分になってくる。現実の喧騒を忘れて。

    気分だけでなく、いつかは、アイルランドの西側に行こう。空想だけでなく、本物の空気も触れたい。
    著者が多くの時間を過ごすニューブリッジも魅力があるけれど、「食の宝庫コーク」へ。

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    ケルトの国のごちそうめぐり
    アイルランドのおいしい毎日
    "アイルランド 随筆"で探す

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    ホージンノススメ

    ずいぶん前に、宮本政於さんの本を読んでいたことがあった。そのときには、(中央、地方を問わず)お役人に、腹立ちをおぼえたものだった。特に、「お役所の掟」(講談社)を読んだときには、笑い、怒り、羨望が入り混じり、複雑な気分になった。
    このところ、そんなことは全く忘れていたけれど、最近になってこの本を読んで、また、そのときの感覚を思い出した。例えば、こういうのは、もう、笑うに笑えない。

    「いや、それは違うね。途上国のためより、K省の役人と、ウチの役員の接待のための仕事だね。だいたい、一台三万円ぐらいのファクシミリを送って、三〇〇万円ぐらいの『検収団』を組織して納品確認に行くんだよ。バカバカしいでしょ」
    バカボンはもう破れかぶれだった。
    (略)
    ODAは、発展途上国のためではなく、天下り官僚たちの海外慰安旅行の隠れミノのためにあるようなものかもしれない。

    ODAのヒミツ

    そうこうしているうちに、会計検査の日が近づいてきた。
    (略)
    そんなとき、ノンキャリ課長がやってきた。
    「若林さん、例の未収金はどうなった?」
    「それが、まだ合わないんですよ」
    私は泣きそうになった。すると、課長は涼しい顔で答えた。
    「しょうがないなあ……このままのデータでは、会計検査院に見せられないから、SEを呼んで直してもらおう」
    「!」

    数字が合わなければ作ってしまえ!
    一事が万事、こんな感じ。ここに書いてある、ホージンの話は。郵便貯金、年金の行く先はこういう浪費なのだと思うと…。"投資"でも"融資"でもない。
    真面目に読むと気分が萎えてしまうので、バカ話と思って、楽しみ、読んだ。

    こういう本が出てきたり、「特殊法人改革」、「郵政民営化」が声高に言われているのを見ると、最近は、少しは変わってきたのかと、期待する気持ちもある。でも、ホージンという組織の力は、どうやら、強いみたい。あとがきを読むと特にそう思う。

    ところで、小泉改革の目玉のひとつだった特殊法人の整理合理化計画は、結局独立行政法人への看板のかけかえに終わったようだ。
    (略)
    十年前、厚生省(当時)の官僚が『お役所の掟』という告発書を出した。でも、特殊法人の暴露本は、私が知る限りこれがはじめてである。(略)外からの批判には数々の名著があるが、職員による内部告発の本はなかった。なぜなら、政府ホージンは、あまりに仕事がラクで待遇がいいので、それを捨てるようなもったいないことをするバカな職員はいないからである。
    形を変えても、残そうとする人たちがいるは、当然のようにありそうな話。壁紙の中の空気みたい。押しても消えるわけでなく、移動するだけ。

    独立行政法人は、やっぱり、焼け太りなんだろうか?

    参考
    若林アキ 公式ホームページ

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    ホージンノススメ―特殊法人職の優雅で怠惰な生活日誌
    "宮本政於"で探す

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    吾輩はビールである

    学問のすゝめ」にも関連することだけれど、冒頭部分しか知らずに中身を知らないことは多い。
    「吾輩はビールである」を読んでいて気付いたんだけれど、「吾輩はビール好きの猫である」らしい。
    以下は、本からの抜粋。

    * * *

    思い切つて飲んでみろと、勢いよく舌を入れてぴちやぴちややつて見ると驚いた。何だか舌の先を針でさされた様にぴりりとした。人間は何の酔興でこんな腐つたものを飲むのかわからないが、猫にはとても飲み切れない。どうしても猫とビールは性が合はない。(中略)
    しかし、コップに残ったビールを一杯、二杯と飲み、さらに、「盆の上にこぼれたのも拭くが如く腹に収めた」のちには、「どうも愉快だ。陶然とはこんな事を云ふのだろう…」と良い気持ちになり、誤って水瓶に落ちてしまう。

    吾輩は死ぬ。死んで此太平を得る。太平は死ななければ得られぬ。
    南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。有難い、有難い。(完)

    『吾輩は猫である』夏目漱石(1906)
    * * *

    僕自身、「吾輩は猫である」を読んだことがあったような気もするのだが、覚えていない、ということは、読んでなかったんだと思う。ビールと夏目漱石の関連は、ぼんやりと記憶しているから、もしかすると、何か、以前の小泉先生の本に引用されていた部分を読んだだけだったかもしれない。

    それにしても、この猫の最期は、哀しい。ビール飲みにとっては、ある意味、理想なのかもしれないが…。
    まぁ、飲みすぎには注意しないとイカン。もう、反省しきりだ。

    それから。
    「吾輩はビールである」の最後のほうに、古いラベル、ポスターの絵がたくさん載っているページがある。こういうのは、見ていて楽しい。アサヒビール以外も、載っているほうがよかったかな。

    参考
    新刊廣済堂出版

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    吾輩はビールである
    吾輩は猫である

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    社名の由来

    面白い本だということで、貸してもらった。それは、講談社のこの本。

  • 社名の由来
  • 社名の由来 Part-2

  • 落ち着いて読むタイプの本ではないけれど、暇つぶしにはちょうど良い。
    例えば、Häagen-Dazs。

    日本の高級アイスクリーム市場でトップシェアを持つ「ハーゲンダッツジャパン」のアイスクリーム「ハーゲンダッツ」は、1961年にニューヨークで誕生した。
    (略)
    どことなく北欧を想わせる名前だが、それは北欧の都市であるコペンハーゲンの「ハーゲン」が織り込まれているためだろう。酪農王国の都市名の一部を織り込むことによって、高品質なミルクのイメージを持たせようとしたようだ。

    ハーゲンダッツジャパン(株)
    言葉のイメージでは、なかなかアメリカの会社とは思わない。こういうのに行き当たったときが面白い。

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    誰かに教えたくなる社名の由来
    誰かに教えたくなる社名の由来〈Part2〉

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    辺境へ

    たまたま手に取った、「辺境へ」(山と溪谷社)。読み進めるうちに、何か不思議な感じを持ち始めた。しばらくして、理由が分かった。
    ブルーベア」に次の記述がある。

    エイホウ・オオタニというのはどこかで聞いたような名前で、しばらくして思い出した。彼は一流の登山家権写真家で、一九八一年のヒマラヤのK2西稜を含む世界中の多くの困難な山頂を征服していて、K2 西稜では酸素も寝袋もテントも食料もなしで、高度八千メートルの雪穴でビヴァークしなければならなかった。

    2 最初の出会い
    そう、ミチオとともにリンの案内でアラスカを回った、オオタニだった。

    本文では、特にアラスカは取り上げられておらず、この関係を知ってみると、アラスカの話を書いて欲しかった気もする。あとがきの一節を読むと、余計にそんなことを思った。

    十二年前、ぼくは特別番組の取材で、アラスカの大地を星野君とともに旅した。北極海沿岸部から南東アラスカまで、彼が知りうる最高のアラスカの自然を一年かけてくまなく撮影した。(略)星野君と一緒にいるとなぜか心がとても素直になれて、少年時代に戻ったような無邪気な気持ちでアラスカの自然を楽しむことができた。(略)
    「だれかと出会い、その人間を好きになったとき、風景は初めて広がりと深さを持ってくる」
    ぼくの好きな星野君のことばのひとつだが、彼がいなければ輝きをともなったアラスカを知ることはできなかっただろう。

    無関係にとった二冊の本、と思っていたのが、星野道夫でつながっていた。ある分野の本を適当に取ると、確率的に何らかの結びつきがあるものだと思う。けれど、偶然以上の何かがそこにあるような、そんな気分にもなる。

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    辺境へ

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    ブルーベア

    ブルーベア」(集英社)が、今、手元にある。
    この本のテーマであり、ミチオとリンとを結びつけるブルーベア、それはグレイシャーベアとも呼ばれる。

    ミチオが立ちどまって、流木の根っこあたりの砂に残されたクマの足跡を指した。
    (略)
    ミチオはうなずき、たたんだ三脚に寄りかかって沈黙した。彼がふたたび口を開いたとき、その口調はある疑問についてしばらく熟考し、やがてそれを口に出す潮時に達した人間の、平静な、思慮深い口調だった。
    「リン、きみはグレイシャーベアを見たことがあるかい?」
    (略)
    「そう簡単にお目にかかれるしろものじゃないよ、ミチオ」
    ミチオの哄笑が私を驚かせた。肩が小刻みに震え、抑えのきかない震動が腹まで広がった。わたしも釣られて笑いだした。
    「どうした?なにがそんなにおかしいんだ?」
    ミチオは帽子をかぶりなおし、またひとしきり笑ってから、三脚を持ち上げて答えた。
    「だったら、たぶん……探さなくちゃ」

    3 海面の爆発
    こうして、ブルーベア探しが始まっていく。こんなところから、リンが真剣にクマ探しを始めていく不思議。こういう様子が、ミチオその人の魅力だし、その作品、写真に浮かんでくるんじゃないだろうか。

    僕は最初、このクマに対して間違った印象を持っていた。

    アドミラルティ、バラノフ、チチャゴフの三つの島は、しばしばひとまとめにして”ABC”諸島と呼ばれる。
    (略)
    すなわちクマのDNAのブループリントによれば、ABC諸島のクマはわずか数マイルしか離れていないメインランドのいとこたちよりも、はるか北の北極に棲むホッキョクグマとの共通点のほうが多いのである。
    (略)
    ブルーベアはABC諸島のクマと同じように、かつてレフュージアが散在した海岸にしか存在せず、その遺伝子にも同じように注目すべき謎が含まれているのではないだろうかと思わずにはいられない。

    4 レフュージア
    この部分を読んだとき、氷河の割れ目の中のうっすらとした透き通る青を想像していた。そういうクマなのだろうと。けれど、実際には、黒毛に青い艶のある毛のクマだった。(後で見たが口絵写真がある。)

    下毛-毛皮獣の保温の役目をする、細くてしっかりからみあった毛の厚いマット-は灰色、あるいはたぶん黒で、それが銀色の長粗毛と一緒になって、ブルーとしか形容のしようがない効果を生み出していた。

    14 奇跡の赤ちゃんと姿を変えるクマ
    しかし、こうして探し続けたクマも、リンがようやく見つけたときには、ミチオはこの世にいない。

    こんなはずではなかった、と思った。そして肝心なときに遅刻し、大事なことを忘れてしまうミチオのどこか愛すべき習性に対して、奇妙な、愛情のこもった欲求不満とでもいうべき感情を抱いていたことを思い出して、わたしはあやうく声を出して笑いだすところだった。ミチオ、とうとうブルーベアを見つけたこの肝心なときに、きみはいったいどこにいるんだ?

    エピローグ
    リンのクマ探しの熱意は、どこにあったのか?そんなところから、ミチオという人が見えてくる、そんな気がする。そのプロセスの記述の中に、この人がまわりを魅了する何かが見えてきる気がする。

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    ブルーベア
    The Blue Bear

    この本に関連して、ひとつ残念なことがあった。Googleで、”"glacier bear" hunt”を検索すると、かなりの数、ハンティング・ガイドと思われるページがでてくる。

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    学問のすゝめ

    今はどうか知らないけれど、僕が高校生だった頃は、国語のテストで、有名な本の冒頭部分と著者、または、題名を結びつけるような問題が、時々あった。

    1. 天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらずといえり。
    2. 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
    3. 吾輩は猫である。名前はまだ無い。
    1. 川端康成
    2. 夏目漱石
    3. 福沢諭吉
    こんな雰囲気だったろうか?

    その後、何年も過ぎた後、「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらずといえり。」が本来の言いたいことではない、ということを何かのテレビ番組でみた。高校時代の役に立たなかったテスト勉強にとても腹立たしく感じた覚えがある。それで、購入したのが、「学問のすゝめ」(三笠書房)だった。

    始めの部分で述べられていることの要点は、目次を見ると分かる。以下は、目次から。

    初編 天は人の上に人を造らず
  • 人に貴賎はないが、勉強したかしないかの差は大きい
  • 「実生活」に役立つ学問を最優先しろ
  • 自由は「自分勝手」ということではない
  • 自由に「ものが言える人」になれ
  • 自分自身に対する「責任」とはなにか
  • せめて、この位のことはそのときに一緒に勉強しておくべきじゃないのか?なんて思ったりもした。
    ただ、今にして思えば、中途半端であっても、いつまでも忘れないフレーズを覚えさせるというのは、意味があったとも思う。それがなければ、腹が立ったとはいえ、この本を読むことはなかった。

    本の内容としては、至極真っ当なことを書いてあるだけ、という気もする。でも、幕末を舞台とする小説を読んで、これを読んだりすると、結構、気分が高揚してくるのを感じる。なんとなく、その頃のこの本がはやった空気に触れて、自分にも力が湧いてくる気がする。

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    学問のすすめ
    学問のすゝめ―人は、学び続けなければならない
    福沢諭吉

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    悪ガキオヤジが川に行く!

    サラリーマン転覆隊 門前払い」に続いて、「悪ガキオヤジが川に行く!」(i BE-P@L)も読んでみることにした。

    この本もなかなか面白い。

    後に地元の人に聞いたところによると「この時期にこんなん雪降ったこたなぇ。こりゃ異常気象じゃ」ということであった。そういうときにきっちり出くわしてしまうのが転覆隊である。全く天才だとしかいいようがない。
    (略)
    ワゴンタクシーを呼んで天元台のケーブルカー乗り場へと向かった。
    (略)
    山スキー、普通のスキー、スノボー、そしてソリをというてんでんばらばらの装備を持った隊員たちは、背中に防寒セットやビデオセットや宴会セットの入った大盛りザックを背負ってケーブルカーにどやどやと乗り込んでいった。

    吾妻連邦で燃え尽きる!

    この章だけじゃなけれど、他もこんな様子で、仕込じゃないかと思うくらいの絶妙のタイミングで小トラブルに挑んでいく。その様子が面白い。
    でも、きっとその場に居合わせた一般人の人や、周囲の人も結構大変なんだろうなぁ…。

    そして、夜8時30分、部員たちがパソコンのキーボードをパチパチ叩いているのを横目で見ながら、デスクの陰に隠れてスーツを脱ぎ始めた。同じフロアーにいる江戸っ子のテツ・後藤部長もやってきて一緒にヨレヨレトレパンにフリースジャケットに着替えていく。ついたての向こう側にいた徳田社員が気がついた。
    「ああ!! 怪しい、怪しい!! またどこか行くんだぁ!!」
    「しぃーぃ! 静かに! これから別の仕事に行ってくる。川へ出勤するんだ。あ~、忙しい!」

    阿仁川でチュービング 玉川でカヌーイング

    それでも、こうやって、会社から転覆隊の活動に出かけていくのだから、みんなに愛されるような人柄なんだろうと思う。

    通勤電車での楽しみである、転覆隊の本も、この本に関しては、ただ、1つ、残念なことがある。それは、転覆隊が有名になりすぎ、飛び込みでいろんな人が登場してくること。僕としては、他の人が相手にしないような、変わったことを熱心にやっている様子が、読んでいて好きだった。でも、支持する人たちがたくさん出てくる様子を読むと、当初、僕が転覆隊に抱いていた熱気が冷めてくる気がしてきている。

    参考
    タイヤ男 ビバンダム」(日本ミシュランタイヤ

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    悪ガキオヤジが川に行く!
    全国リバーツーリング55マップ
    "カヌー"で探す

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    よくわかる外食産業

    よくわかる外食産業」(日本実業出版社)という本を、最近、ちょっと見ていた。自分が客としてしか接していない、業界の本をこうやって、たまに見てみるのも、結構面白かったりする。

    今回、新しい発見だったのは、フロプレステージュ。「本業の延長線上で複合化しているすかいらーく」という項を見ると、(株)フロジャポンが書かれている。
    ここのタルトが好きで、数年前はしばらくハマってしまったが、すかいらーくグループとは、全く気付いていなかった。わざわざ売っている会社のことを調べようとは思わなかったし。
    すかいらーくと大きく書いてあったら、きっと、そこで買い物を続けていなかっただろう、という気がする。きっと、業態ごとのブランド戦略みたいなものを、よく考えて展開しているに違いない。
    探すと、他にも、意外なお店が意外なグループにいて、それと気付かずにいるものがあるんでしょう。M&Aに積極的な会社もあるらしいし。

    それ以外にも、第3章 「外食産業のシステムと情報ネットワーク」にあるように、見えないところでいろいろ高度化している。食材の調達、物流、セントラルキッチンでの"製造"、基盤となる情報システム、など。そして、第4章「最近の勢力地図と実力比較」にある、

    他業界に比べ外食産業の大手企業のシェアはきわめて低い。上位一〇〇社合わせても、二〇〇一年度で一六.九%しかない。ところが伸び率で見ると、〇一年度の上位一〇〇社の対前年比売上高の伸び率は、四.一%、さらに上位五〇社でみると四.三%増となる。

    「大手による寡占化の兆しが。新興勢力の明暗も顕著に」
    というようなところも併せて見ると、資金のある会社によって、どんどんと工業的になって行くんだろう、という気がする。(当然、客の目に触れるところは、手作り感覚で。)

    一昔前の、スーパーやコンビニは、こんな雰囲気だったんだろうか?なんて思ったりもする。

    参考
    沿革-すかいらーく」(ファミレスNOW

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    よくわかる外食産業
    "外食産業"で探す

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    サラリーマン転覆隊 門前払い

    サラリーマン転覆隊的焚き火料理」に続いて、「フレーベル館」から出ている「サラリーマン転覆隊 門前払い」も読んでみることにした。このあとがきを読んではじめて知ったのだけれど、連載よりも先に出版があった。てっきり、連載が先で、人気が出たから、出版、という順序かと思っていた。

    この本の中にまとめたのは、アウトドアライフマガジン『ビーパル』の一九九七年十一月号から九九年四月号の連載である。
    もともと転覆隊のこういったバトル報告は、僕が筆ペンで書きなぐり、ゼロックスペーパーで隊員たちに配っていたものだ。
    それがあまりにもおかしいと社内外で評判になり、やがてフレーベル館の編集者の目に触れ、いつの間にやら単行本の出版となり、さらにその本を読んだ椎名誠さんや野田知佑さんに絶賛されて、『ビーパル』の連載が始まり、そして今ここにつつがなく第三弾の出版ということに相成ったわけであります。パチパチパチ……。

    あとがき
    確かに!そういう仲間内のノリ、雰囲気だ!
    このシリーズを「楽しい、楽しい!」と喜んで読んでいる僕ではあるけれど、カヌーのことは,まったく知らない。

    転覆隊はチャレンジは常に一人前でも、その実力はきわめて初級レベル。なにしろ誰一人としてエスキモーロールが出来るものはいない。それどころか、エスキモーロールがバターロールの一種と勘違いしていた隊員までいるのである。さらになんと、転覆隊ではこのカヌー基本テクニックのことを、じゃどうなテクニックとさえ呼んでいる。
    「沈したら、さっさと激流に流されんかい!!もう一度、カヌーを立て直すなんちゅうのは、卑怯者のやることじゃ!!」などと怒鳴るのである。

    その1、転覆隊高梁川で寒中水泳!
    僕も「バターロール」の口だから、エスキモーロールってのは邪道なのかぁ、とおもってしまっている。きっと、真面目にカヌーをやっている人には、卒倒ものの台詞だろうことは、予想はつくが…。
    陸の上にいる間は、そういう思い込みも、面白く、安全だから、まぁ、気にしていない。
    そういう思い込みの上で読むから、なおさら、楽しい。水の上に行くことがあったら、そのときになって、もっと真面目に考えれば良い。

    それはそうと、先日連載があるかと思い、BE-PALを立ち読みしに本屋さんに行った。でも、見つからず、帰ってきた。連載終わっちゃったんだろうか?

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    サラリーマン転覆隊門前払い
    BE-PAL

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    サラリーマン転覆隊的焚き火料理

    紀元前サラリーマン転覆隊」を読み、また、別のを読んだ。最近、ちょっと、転覆隊の本にはまっている。
    「サラリーマン転覆隊的焚き火料理」、この本、僕が見たときには、普通のアウトドア料理の本が並んでいるところに一緒にあった。燻製、ピザ、ダッチオーブン…。そういうのと一緒に棚にあった。中を開く前から、見当はついてたけれど、やはり、そういう料理本とは一線を画す本だ。
    第一、他の人に料理法を薦めるための本じゃなくて、チャーミー坂井部長(本の時点では、チャーミー坂井社員、になっている)のこだわりのリストで、転覆隊の写真集、という気がする。
    料理本であって、これほどまでに"沈"の写真が載っている本があるだろうか?

    "沈"と料理、この行間を想像すると、結構楽しかったりする。

    前書きには、こうある。

    この料理ブックの中には、
    チェックの柄のテーブルクロスも
    エプロン姿の料理の先生もいない。
    その代わりに大自然そのままのキッチンと、
    かなりむさくるしい男たちがいるだけである。
    転覆隊が追い求めてきたのは、感動的野生料理。
    いかにして豪快に、
    いかにしてバカ旨料理にありつくかということだ。
    後のほうに「カヌーの底が語るモノ。」というページがあって、「料理人チャーミー坂井社員の愛艇フェザークラフトカヌーの底」の写真がある。「段ボール箱のひみつ」に「もはやダンボールというよりガムテープの塊といったほうが良い」料理道具が入った段ボール箱の写真がある。
    こういう無茶苦茶な感じが、料理本でない部分が、読んでいて楽しい。

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    サラリーマン転覆隊的焚き火料理

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    紀元前サラリーマン転覆隊

    サラリーマン転覆隊」の本、「サラリーマン転覆隊が来た!」(転覆隊が来た!)を、この前、読んだ。なかなか面白かったので、他のも読んでみることにした。

    アマゾンで、「紀元前サラリーマン転覆隊」を見ると、

    内容(「MARC」データベースより)
    普段は普通のサラリーマンが、ある時カヌーに目覚めて「サラリーマン転覆隊」を結成! 隊長である著者がその結成までを、自身の青春談やメンバーとの出会いを通して綴る。
    とある。だけど、「隊長の過去が、普通のサラリーマンであるはずがない!」と期待して、読み始めることにした。

    「ビーパルのCM」、「挑戦GORO君」は、隊長の「普通のサラリーマン」としての姿に触れる章だと思う。でも、D通のCM制作という仕事柄か、十分変わっていて面白い。「変人は変人を呼ぶ」ということか。
    そうそう、1ヶ月前後の休暇を取れるもんじゃぁない。

    それも、隊長の気合と、事前の根回しと、他の人たちに「本田さんだから。」と思わせてしまうところが、ポイントなんだろう。

    そして次に僕はサハラのための休暇の根回しに入ることにした。いつもの「片っ端から宣言」という方法である。
    これは、やりたいことが見つかったら片っ端から宣言し続けるという方法なのである。そうしているうちにいつの間にか人が集まり情報も集まってくるのだ。会社で、お得意先で、飲み屋で、わが家で、事あるごとに僕は「サハラに行ってみたいなぁ……」「サハラってのは男の一生の夢ですよね……」「うぅぅむ、サハラ、サハラ、サハラ……」と、呟き続けた。
    こうしているうちにわが家の妻も「この人はいつかサハラに行くんだわ!」と思い込むようになり、わが社の部長も「うーむ、サハラねぇ~、ワシももうちょっと若ければ行ってみたいもんだがのぉ、ふむふむ……」などと呟くようになってくるのだ。こうなるとこっちのものである。

    サハラへ
    そういうことなのだ。

    それから、途中で転覆隊の隊員との出会いのエピソードなどがあるが、これも、他の本を読む上での味付けに良い。

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    世界の川を旅する

    ユーコン漂流」を読んだ後、「世界の川を旅する」(世界文化社)を手にすることにした。
    やはり、写真があると印象が強くなる。見ているだけで、なかなか楽しい写真がたくさんある。遠くにいて、想像する、というのが、そういう気分を強くするのかもしれない。

    ちなみに、本に出てくる、「カヌーピープル」というのは、「Kanoe People Ltd.」らしい。「Google 検索: カヌーピープル」とやっても、結構いろいろ出てくるように、有名なところらしい。

    「ふーむ。ユーコンはドイツ人だらけだな」
    「その通りだ。申し訳ない。時々、地元の人から抗議されることがある」
    「いったい何だってユーコンがドイツ人だらけになってしまったんだろう?」
    「もうヨーロッパにはこんな荒野がないのだ。どこも管理された川や自然しかない」

    極北荒野を漕ぐ◎カナダ・ユーコン川
    とあるけれど、最近は、夏も冬も日本人だらけ、なんてことはないのだろうか?いくつかツアーはありそうだけれど。

    それから、ひとつだけ、本について、残念なこと。文章を分断する形で写真が入っているので、読むことを中心にしているときには、ちょっと読みにくい。とはいえ、写真を楽しむときには、まったく気にならない。

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    世界の川を旅する
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    転覆隊が来た!

    この前、「ユーコン漂流」を読んで、いい気分になったので、他の本も探そうと、棚にある本を見ていた。そのとき、目に飛び込んできた背表紙が、「サラリーマン転覆隊が来た!」(転覆隊の本・ビデオ)。
    最初は、「なんだか、ちょっと、ふざけた感じだなぁ。」と思いながらも、中を開くと、「その一、錦江湾で番狂わせ!」の最初に”野田知佑”の字がある。後は細かいことを考えず、この本を手に取ることにした。通勤時間の暇つぶしには、適当な本に思えたので。

    次の日から、電車の中で読むことにした。これがなかなか面白い。
    多分、いや、きっと、周りから見ると、おかしな光景だったに違いない。いい大人が、本を読みながら、懸命に笑い声を押し殺して、夢中になって読んでいる姿は。「その五、奥多摩で縦横無尽!」で隊長が穴に挟まるあたり、「その八、テスリン川で愛を訪ねる!」を始めとする後藤語録など、特にそう。それに、毎度、休みを取るのに苦労している様子も、なかなか笑える。

    転覆隊員にとって最初の瀬というのは、実は陸にある瀬なのである。仕事の瀬やローンの瀬や妻の瀬という様々な浮世の瀬だ。(中略)バトルを前に轟沈する隊員は結構多い

    その七、梵字川をなめ、赤川に叱られる!
    と、始まるあたりなど。
    哀しさと真剣さを感じるから、余計に面白さが引き立つ感じがする。読み始めに感じていた、「悪乗りし過ぎたおじさんたち」というのはなくなった。

    かつて僕も仕事の都合で遊びをキャンセルしたことが何度もあった。
    しかし、今そのときのことを振り返ると、それがいったいどんな仕事だったのかまったく思い出せないのである。そのときはすごく重要だと思っていたのに、不思議なものだ。
    仕事は1日や2日遊んだって、思っているほどまわりの環境は変化しないものである。しかし、いい遊びはたった1日でも人生を変化させてくれる。
    ピリッと効いた人生の粒胡椒みたいなものである。
    そしてさらに重要なことは、遊びは旬なモノだということだ。その年の遊びは、そのとき体験しないと、まるで価値がなくなってしまう。

    その二、鬼怒川でムカッ!
    などを読むと、自分でもファルトボートとダブルブレードパドルで川を下りたい、試してみたい、そんな思いも起きてくる。

    そして、この本には、CDが付いていた。転覆隊の様子は、本ではなかなか伝わらないので、付いているらしい。これを見て、後でもう一度、本文を流し読みすると、もう一度、楽しめた。

    ちなみに、サラリーマン転覆隊は、雑誌、BE-PALの人気連載らしいが、僕はアウトドアな人じゃないので、この本ではじめてを知った。

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    サラリーマン転覆隊が来た!
    本田亮
    BE-PAL

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    ユーコン漂流

    水曜どうでしょうユーコン川160キロを見て、興味を持ち、「ユーコン漂流(野田 知佑)」(文藝春秋)を手に取った。
    これがなかなか面白い!

    鈴:30キロって、札幌-岩見沢よ
      毎日 岩見沢
      船で行かなきゃ行けない
      (中略)
    鈴:どのくらいの… 川の流れ
    藤:時速…
      4キロとか言ってたかなぁ
      (中略)
      スーッと 流れてるか流れてないかのような川のところを
      (中略)
    熊:時速10キロくらいですよ
      (中略)
    大:私「時速4キロ」って聞いてますよ

    水曜どうでしょう:ユーコン川160キロ 第一夜
    とあるけれど、本を読んでみると、しっかり、

    白夜にフネを浮かべて
    出発。
    フネは主流に乗ると、時速一〇kmの速さで下流に流されていった。川幅が五〇m前後と狭いので、両岸の景色がいきよいよく後方に飛んでいく。時速一〇kmというのは日本の川では洪水のときの速さだ。

    Ⅰ章 自由の王国へ
    と最初に書いてある。どこで情報が間違ってしまったんでしょう。藤村さん、もしかするとこの本のアラスカのあたりの記述の記憶で、時速4kmって言ってたのかも?『番組スタッフからのメッセージ:9月26日放送 「ユーコン川160キロ」第1夜』を読んだりするとそんな風に思ってしまう。

    それに、次の部分は意外に感じた。

    泥っぽいクリークでは珍しくきれいな小さな砂洲が川の真中にあったので上陸。
    (中略)
    毛バリでグレイリングを一五匹釣る。砂州の下の淀みにパイクが泳いでいるのが見えたが、グレイリングを見た後ではこの醜悪なパイクを釣る気が起きない。
    (中略)
    岸は泥濘。雨中に泥の岸に上陸するのは嫌なので漕ぎ続けた。
    カヌーの旅は吹きさらしの旅だから、雨風は直接風にぶち当たり、体温を奪っていく。感覚も思考力も強い風に吹きちぎられ、持っていかれる。
    「ドーソンから下を行く奴は馬鹿とマゾだけだ」
    というのは本当だ。

    Ⅲ章 単純生活者
    こんな風に書いてあっても、グレーリング飯ビストロ大泉)を先に知ってしまうと、グレーリングが美味しそうに思えない。こういった過酷な中にいるとそう感じるのか?と勝手に思ってしまう。
    きっと、普通に塩焼きとかにすると、とても美味しいんでしょう。パイクは釣人泣かせで嬉しくないけれど、グレーリングは喜ばしい収穫なんでしょう。けれど、大泉シェフの印象が強過ぎた。

    参考
    Yukon Territory」(MapQuest

    関連
    「ユーコンのヨシ」さん

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    ユーコン漂流
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    世界途中下車の旅

    世界途中下車の旅」(PHP研究所)という本を、先日、手にした。読んでいて、デンマークの項が気に止まった。

    「次の停車駅はヘルシンオア駅です。ヘルシンボリ方面の方は、鉄道フェリーにお乗換えください。」
    (中略)
    海峡架橋や海底トンネルが相次ぎ開通し、デンマークならではの鉄道連絡線風物詩も失われつつある。
    けれども、今もなお三航路が健在だ。ヘルシンオア~ヘルシンボリ航路もその一つ。
    (中略)
    フェリーは鉄道車両が搭載できるだけあって、なかなかの大型船であったが、エレーソン海峡を横断するヘルシンオア~ヘルシンボリ航路そのものは全長五キロ、所要時間二〇分と短い。

    第一章 ヨーロッパ 《デンマーク》ヘルシンオア駅
    The Helsingborg Guide」の下の、「Public transport:Ferries to Denmark」、「Public transport:Trains」にもあるけれど、鉄道とフェリーと両方が現在も存在している。
    とはいえ、「Oresund Channel&Sasnitz express編」の写真にあるような、フェリーに列車が入っていくような航路はまだあるんだろうか?

    ヘルシンオア~ヘルシンボリ航路はフェリーそのものは健在だが、列車をそのままフェリーに乗せる列車航送は、コペンハーゲン~マルメ間の海底トンネル開通によって廃止されてしまった。それで今もなおデンマークで列車航送が行われている航路を紹介しよう。デンマーク~ドイツ間のフェールマン海峡、オイベ~プットガーデン航路である。

    Helsingør ヘルシンオア駅
    と、同じ本のコラムにあった。探してみると、そういった場所を扱った、立派なホームページがあった。「ハンブルグ → コペンハーゲン」(ヨーロッパ 陸・海・空 4,300kmの旅)こちらを見せていただくとよさそうだ。

    参考
    ハノーバ→ロスキレ」(ちょっとピンぼけ
    デンマークへのアクセス
    スカンレイルパス:ヨ-ロッパ鉄道パスのご案内」(MRC(マルカトラベル)

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    世界途中下車の旅
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    冒険投資家 ジム・ロジャーズ 世界大発見

    冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見」(日本経済新聞社)という本がある。これがなかなか面白い。

    通常、ホームページなどには表紙の写真しか出ていない。でも、この本は、裏表紙も開いて、横長の絵で見てみたい。
    最初、教えてもらうまでは、私にはそこに何があるのか、わかっていなかった。

    本文を読んでいて思うのは、次のこと。

  • 他の人が「これは駄目だ。」と思っているものの中に、「これは!」と思うものを見つける方法が、ジム・ロジャーズという人には適した方法ということ。
  • 保護貿易は、ほんのわずかの間の苦しみを和らげるかもしれないが、将来の大きな災いを作り出す。小さいうちに災いを被るならば、将来の糧に出来る可能性があること。
  • 「正義」や「善意」の名を借りて行われる援助は、本当に与えられるべき相手に届く前に、途中の人たちを肥えさせること。

  • 前作の「バイク紀行」を読み、これを読むと、面白みを強く感じる。さすがに、「バイク紀行」の方が、以前の本なだけに、旅行記として、その内容に驚いたり、そのときの見通しの正しさに驚いたり、ということがあった。
    ただし、この本では、訪れた国々への批判的な記述が、主語を”日本”に入れ替えるとスッポリはまる、と思われる箇所(産業の保護、硬直的な官僚組織など)に考えさせられ、本を読む手を止めることも多かった。

    ひとつだけ残念なことがある。日本語の題名をつける人も大分苦労したのだろうけれど、「Adventure Capitalist」とか「Investment Biker」といった、別の言葉とかけた雰囲気がないこと。ただし、本文中でも、日本語にカタカナでフリガナを付けている箇所を時々見かけることからも、やはり、大変な作業だったろうと思う。

    参考
    The Millennium Adventure

    amazon.co.jp/
    冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見
    冒険投資家ジム・ロジャーズ世界バイク紀行
    天才投資家の世界バイク紀行
    Adventure Capitalist
    Investment Biker

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    投資参謀マンガー

    投資参謀マンガー」という本、しばらく前から興味はあったのだが、「バフェットからの手紙」や「賢明なる投資家」と比較すると、表紙の見栄えが余りよくないので、買うことはしなかった。
    最近になって、たまたま、借りることが出来たので、読むことが出来た。

    私は、Buffettについて書かれた本を通じて、Mungerを知った。実際、訳者前書きにもあるように、その時点で「チャーリー・マンガーに焦点を当てた本は、現在のところ、この一冊きりです。」とのこと。ほとんど知らない訳だ。

    そのためか、この本は、上であげたほかの二冊よりも、伝記的な要素が強い本になっている。「バフェットからの手紙」などに断片的に出てくる、マンガーとはどんな人なのか?そういうことに興味を持っていたので、そういう意味では、面白く読めた。
    また、他の本を読み返してみると、話の筋、バフェットのジョークの雰囲気が楽しめるのかもしれない。

    ただ、思うのは、たまたま本屋でマンガーを知らずに手に取った場合、読みたいと思うだろうか、というと、ちょっと難しいかもしれない、と思ったりもする。登場人物もたくさんいる(当然、日本人の名前じゃない)から、なかなか、人の名前を頭において、話についていくには、私には大変。

    参考
    Pan Rolling
    Forbes.com

    amazon.co.jp
    投資参謀マンガー
    Damn Right: Behind the Scenes With Berkshire Hathaway Billionaire Charlie Munger
    バフェットからの手紙
    賢明なる投資家

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    ペンギンと泳ぐ旅

    先日、「ペンギンと泳ぐ旅」(NTT出版)を手にした。タイトルに惹かれて手に取ったものの、「白と水色のきれいな体裁の表紙」、「上質の紙」という組み合わせが引っかかりながら、中を見始めた。
    見た目はきれいで、写真はきれい、けれど、文章がとてもつまらない、そういうことが何度もあった。「この本も、もしかしたら…。」という気持ちが残ったまま、中身を見ていった。

    しばらくすると、私が最初に感じていた嫌な感じはいつのまにか消え、楽しんで読み始めていた。「14 今夜も眠れない アイスバーグ・ハンター」あたりは、読んでいて非常に気持ちが良い。当然、きれいな写真の効果も大きいだろう。(でも”氷山”でなく、どうして”アイスバーグ”なんだろう?)

    ギャー、ギャー、ギャー、ギャー、グワン、グワン、グワン、グワン。正面から、左右から、山に跳ね返り、海を伝い、あらゆる方向から大音量が寄せる。キングペンギンの大合唱は、私たちの体を震わせ、海のかなたへ消えていく。と同時に、風に乗って強烈な臭いが漂ってきた。魚の腐った臭いと糞を混ぜたような臭いだ。直接吸い込むと目に涙がにじむ。

    5 ペンギンと泳ぐ夢
    といったあたりを読んだ時には、写真を見ると、現実に営巣しているペンギンの姿が想像出来るような気がした。どうしても、動物園やテレビ番組の中のかわいいイメージが強いが、本物らしい感じがして、もっと知りたくなる。やはり、見て気持ちよい写真が一緒にあるためかもしれない。、

    暑い日がずいぶんと続いているせいだろうか?南極旅行への憧れを持ち始めた。

    参考
    写真家 西森有里の海と遊ぶエコツアー
    南極地域の環境保護
    Heritage Expeditions
    International Association of Antarctica Tour Operators

    アマゾンへのリンク
    ペンギンと泳ぐ旅―南極エコ.ツアーリズム
    Lonely Planet Antarctica
    南極”を探す
    ペンギン”を探す

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    不味い!

    不味い!」(新潮社)という本があるが、これがなかなか面白い!
    今までも、発酵食品、醸造酒などに関する、面白い本を出していらっしゃるけれど、これは、それとは違った切り口なのが良い。文章も、なんとも、「今まで言わなかったんだけど、本音では、俺も、…。」と話しかけられているかのような感じを持った。

    「爪楊枝ほど細く短いエビが衣の奥に隠れて」いるエビフライや、「カニの脚に見たてたカマボコに衣をつけて揚げた湿ってベトッと濡れた感じの天麩羅」の入った幕の内弁当に対する不満は、きっと他の人も持っているじゃないか、と思う。例えば、刺身の話もそうだ。

    俺のように、毎日三食に魚が出ないと不機嫌になるほどの重度の魚依存症候群患者にとって、不味い魚ほど面白くないものはない。
    (中略)
    ところが、買ってきてひと口食ってからしまった!と思うものも少なくない。最近は刺身売り場の電灯の光が実に巧妙にできていて、どんなに鮮度の悪い刺身でも実に赤々としていて、光沢もあって、これが一冊六八〇円ならしめたもの、とばかりに買ってきて、家の台所で開けてみると、な、なんとなんと、黒ずんでいて光沢もなく、どっぺりしている、なんてことも少なくなかった。一体あれは何だった?騙した店が悪いのか、騙された俺が悪いのか。

    不味い刺身

    その一方、大阪の水道水(淀川、琵琶湖の水)の話に絡んで、まじめな話も。

    実はその湖は一〇年ぐらい前までは汚れていて、とても生水そのままで飲める状況ではなかったという。そこで湖に住む小学生、中学生、高校生に対して徹底した環境教育を実施し、さらに湖浄化運動に周辺の家々も巻き込んで、一大環境キャンペーンを行った。そして、そのプロジェクトにヘルシンキ大学、ヘルシンキ工科大学も加わって、パイヤンネ湖環境プロジェクトチームが組織されたのである。
    (中略)
    やればできるんですなあ。琵琶湖の浄化だって不可能ではないのですよ。美しく美味しい水の国日本を、フィンランド人のような考え方に立って早くとり戻したいですなあ。

    大阪のホテルの水

    カラスの肉、ホンオ・フェ、シュール・ストレミングのような珍しい不味いものから、ブロイラー、ホテルの朝食の蒸した鮭、観光地のお膳などの普通に接するものまで、いろいろ取り上げられている。最近、暑くて少々参っていたが、これらを読んで、笑って気分転換だ!

    一部の話は、「くさいはうまい」(毎日新聞社出版局)と重なる部分もあるけれど、”不味い”という面に焦点を当てている分、こちらのほうが好きだ。

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    不味い!
    くさいはうまい
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    フィンランド語は猫の言葉

    まず、こういう人はこの本を読んではいけない。
    - 現在、留学したいが、周囲の反対が確実。
    - かつて、留学を夢見たことがあり、いまだに心に引っかかっている。
    そういう人は、この本を読んだ後、ちょっと面倒なことが起きるかもしれない。

    何か、心に火種がある人は、この本を読んではいけない。非常に、引火性が強い物を含んでいるから。
    1970年代後半から80年代初めの”未知の外国の魅力”を瞬間凍結したようなもの。もし本を開き、中身を読むようなことがあれば、その凍結した固体から昇華した揮発性のものが、一気に点火する。
    よくよく、心して読むべきだ。

    既に、絶版している状態で、この本をわざわざ探して読もうという人は、火種のほかに、新聞紙のように燃え移りやすいものを一緒に持っているはず。
    読んだ数日後には機上の人となり、フィンランドでの暮らしの手はずを整えている、なんてことにならないように!

    悪ふざけはこれくらいで。

    舞台は、ハイテクで名を成すノキアやLinuxとは、無縁の時代のフィンランド。森、湖、シベリウスの世界。そこでの謎々のような言葉を学んでいく、苦労、失敗などを読んでいくと、楽しい気分になってくる。また、東大言語学科のM氏や、サウナに閉じ込められた話などは、何度読んでも面白い。
    上の感想は冗談めかして書いてみたけれど、まったく根拠がないわけではない。私自身、わずかの間、そんな気分になり、「フィンランド留学案内」( フィンランド大使館)や、「Studying Finnish - Summer Courses」(CIMO - Discover Finland)など、見てみたりした。何事にも行動が遅い私でさえ。

    現在は、事情は変わっているのだろうけれど、稲垣さんが取り上げている話題は、時間が経っても色あせていない。今でも楽しめる。

    参考
    フィンランド語は猫の言葉(稲垣美晴) 復刊リクエスト投票復刊ドットコム
    PABURI: フィンランド語は猫の言葉電子文庫パブリ

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    フィンランド語は猫の言葉 講談社文庫
    フィンランド語
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    コンサルタントの道具箱

    「知識として知っている」ということと「実際にそれを活用して行動する」ということは次元の違うことだ。

    勤務先では、入門時に身分証の提示を求められる。いつものように入ろうとしたときに、いつも入れていたカバンのポケットに、いつもあるはずの私の身分証がなかった。その場は臨時の許可証を借りれば、何とでもなる。ただし、なくしたとなれば、ちょっと面倒だ。

    普段使っているカバン、勤務先の机、家に帰った後も洗濯物の中、など、いろいろ探しても、ぜんぜん出てこない。
    そこで一言、「カバンの内ポケットとか、もう一度、確認してみたら?」との指摘。
    「カバンは何度も見て、そこにはないよ。」といいながら、カバンを隅々まで開けて、中身を出してみる。
    結果は自明。そこにあった。

    最近も読み直していた本に、そういう話があったので、抜書きしてみた。
    コンサルタントの道具箱」(日経BP社)には、3章に「ポランスキーの探し物のコツ」というのがある。

    この技法を、「ポランスキーの探し物のコツ」と呼んでいる。

    絶対にそこにはないと思われているものは、たぶんそこにある。

    ポランスキーの探し物のコツは、どの扉を開くべきかを教えてくれる。そこから、どの扉を閉じたままにしておくべきかもわかる。

    みんなが見ろという場所は見るな。

    (中略)
    ポランスキーの探し物のコツにはもうひとつ変化形があって、自分が何らかの対象を避けて探しものをしていると思ったときに使うことにしている。

    なんの意味もないと思い込んでいる対象には、たぶん意味がある。

    「そんなこと、わざわざ本で教えてもらわなくたって、みんなわかっているよ!」と言われてしまいそうだ。けれど、最近も本で読んで、意識のどこかにあったはずなのに。経験的にそういうことはわかっていたはずなのに。やっぱり、そういうところにはまってしまっている。

    きっとまた、この本で取り上げているようなことがおきそうだけれど、そのときに、「読んで知っている」ということを活かせるだろうか?

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    馬鹿で間抜けな発明品たち

    この前、たまたま「馬鹿で間抜けな発明品たち」という本を手にした。ちょっと気分転換などのときに、ペラペラと見てみるのは、なかなか気が紛れて、楽しい。

    元ネタは、「Totally Absurd Inventions」というホームページ。これが人気で出版に至ったらしい。本もよいが、やはり、元のホームページを見ると、手っ取り早く、雰囲気が分かる。
    私のお気に入りは、「究極のハゲ隠し方式」。こんなのがちゃんと特許として成立しているのだから、笑える。ホームページのほうには、丁寧にも、ハゲ隠し方式を試した写真が載っていて、このバカらしさがすばらしい。

    参考

    主婦の友社
    Sites with absurd patents」(Patently Absurd!
    お笑い特許公開中!」(こてこてらんど
    ノーベル賞のパロディ版」(HotWired Japan
    The Ig Nobel Home Page

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    馬鹿で間抜けな発明品たち
    Totally Absurd Inventions
    イグ・ノーベル賞
    The Ig Nobel Prizes

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    書籍:「まっかなホント」シリーズ

    「まっかなホント」シリーズの本がマクミラン ランゲージハウスから出版されている。たまたま手にした本が結構面白かったので、ちょっと書いてみることにした。
    本の題名は、「オランダ人のまっかなホント」(英題:The Xenophobe's Guide to the Dutch)。外人嫌いの人向けのオランダガイドである。

    まえがきに、本のコンセプトが示されている。

    「まっかなホント」シリーズの究極の目的は、なにを隠そう、外国人恐怖症にかかっている患者をひとりでも多く救うことにある。自覚症状のある人もない人も、ぜひぜひ服用していただきたい。(中略)。お腹をかかえて笑っているうちに、不気味なモンスターはいつのまにか等身大の愉快なお隣さんになっているはずだ。

    訳者紹介のところには、編集部からの、こういった注意もある。
    「外国人を笑いものにする」のが本シリーズの目的ではありません。基本コンセプトはあくまで、当事者たる外国人と「共に笑う」ことにあります。
    狙いは、「ブラックユーモアで笑い飛ばしてやれ!」といったところだろう。

    一番気に入っているものは、ケーキの話、2つ。

    オランダではその倹約精神ゆえに、客はコーヒーといっしょにケーキをひと切れしか食べてはならない、とされている。ふた切れ目に手を出そうものなら(めったにないことだが、勧められることがある)、イギリス人がお約束ごとでたずねた「調子はどうですか?」という問いに馬鹿正直にこたえて悩みの種をならべたてたときとおなじような、無言の非難にさらされる。
    オランダ人の心のカレンダーは、誕生日を軸にまわっている。(中略)。誕生日に敬意を表して、ふた切れ目のケーキが勧められることもある。
    「おいおい、誕生日でないとふた切れ目を食べちゃいけないのかよ。勧められてるんだぞ!」と一瞬、真に受けてしまいそうになる。しかし、一通りこんな感じのものを読んでいくと、最後にはふしぎと親近感を持ってしまう。外国人も人、完璧じゃない。そういう欠点みたいなものを笑っていると、オランダのことをもっと知りたくなってくる。
    「街道を行く オランダ紀行」などとは違った側面が見られて面白い。

    参考

    アマゾン

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